大判例

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東京地方裁判所 昭和53年(ワ)11227号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

【判旨】

本案の申立について検討する。ところで、前記のとおり、被告は、答弁書を提出しているが、これは被告によつて陳述もされず、また本件の最初になすべき口頭弁論期日後に提出されたものであるから民事訴訟法一三八条によつて陳述したものと取り扱うこともできない。民事訴訟法一四〇条一項但書にいわゆる弁論の全趣旨というのは、同法一八五条の証拠原因としての弁論の全趣旨とは意味を異にし、口頭弁論にあらわれたすべての訴訟資料をいうものと解するのを相当とする。そうすると、被告の提出した右答弁書は、弁論の準備のために提出したものであつて、これに基づいて口頭弁論において現実に、あるいは擬制的に陳述されたものでないこと前記のとおりであるから、右答弁書の記載内容をもつて民事訴訟法一四〇条一項但書を適用し請求原因事実を争つたものとみることはできないものというべきである。他に、口頭弁論にあらわれた訴訟資料を検討してみても、被告が請求原因事実を争つたものと認めるべき資料を見出すことはできない。したがつて、結局被告は請求原因事実を明らかに争わないものと認め、これを自白したものとみなさざるを得ない。

(永吉盛雄)

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